プロジェクト概要

植物科学研究において実績のある大学、およびバイオマス変換利用に実績のある研究所や大学を中心として、生産性が高くかつ工業原料として利用しやすいバイオマス育種を行う「スーパーバイオマス育種拠点」、と育種されたスーパーバイオマスからバルクおよびファイン化学品(バイオベース化学品と呼ぶ)の高効率生産を行う「バイオマス利活用拠点」を置く。そしてこれらを有機的にネットワーク化することで、バイオマスの増産から化学品生産までを経済性、環境性の面で妥当な形で行う「植物CO2資源化研究拠点ネットワーク(Network of Centers of Carbon Dioxide Resource Studies in Plants: NC-CARP)」を構築する。

二つの拠点は、相互に綿密に連携することで光合成能力向上からバイオマス生産性の向上、さらにはバイオマス利活用までの全体のプロセスの向上を目指す。理学・農学の植物研究者を中心としながら、工学系、化学系研究者を加え、異分野融合による新技術創出の新展開を目指す。また、企業や国際機関等との連携を行い、CO2資源化技術の実用化へつながる基礎および応用研究を強力に推進する。企業や海外からの人材の受け入れ、拠点間の連携教育システム、人材や技術の交流により、CO2資源化分野をリードする国際的イノベーターを養成する。


CO2資源化研究の推進

NC-CARPでは、国内における植物科学研究者と応用微生物研究者が異分野融合的に結集し、現在の社会的な課題、CO2資源化を進めるための技術基盤を作り研究を進める。CO2資源化のためには植物育種と、その利活用についての二大テーマがある。まず植物育種では、CO2濃度上昇下での光合成能力向上研究と、バイオマス生産性向上研究を統合した「スーパーバイオマス育種研究」を展開する。近年の研究から、植物における光合成によるCO2固定能は、バイオマスの蓄積活性と強く関連することが明らかになってきた。そしてもう一つの大テーマはバイオマスからの多様なバイオベース化学品を生みだす、「バイオマス利活用研究」である。
CO2資源化の技術開発には、個々の小テーマを研究するだけではなく、それらが一体となった研究組織を構築することが重要である。さらに、バイオマス栽培から利活用までのトータルプロセスの経済性、環境性を評価する技術開発を一体化することも重要である。そのためNC-CARPでは、日本をリードする光合成研究者による研究組織を構築するとともに、草本、木本のバイオマス蓄積とその構造評価において国際的に実績のある研究者をこれらの組織に加え、CO2固定能を全体として向上させるスーパーバイオマス育種基盤をつくるための研究ネットワークとした。これらの材料提供技術に加え、バイオマスは最終的には有効なバイオリファイナリーシステムがあって初めて、社会に利用できる形で還元される。このため、最終の出口としてバイオリファイナリーの先端的研究者およびプロセスの経済性や環境性を評価できる工学・化学系研究者を加えてネットワーク拠点とした。
これらを統合して綿密な教育研究を推進することで、これまでにないCO2資源化の統合的なネットワーク研究が立ち上がり、CO2資源化技術の実用化につながる基礎および応用研究の推進が期待される。


NC-CARPパンフレットダウンロード (PDF 4ファイルに分割)
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(1) 表紙~目次:~5ページ、0.9MB
(2) スーパーバイオマス育種研究(途中まで):7~16ページ、1.5MB
(3) スーパーバイオマス育種研究(続き):17~21ページ、1.9MB
(4) バイオマス利活用研究:23ページ以降、1.9MB